肥筑方言圏に属する熊本県では、福岡県、佐賀県、長崎県と共に独自の方言が使われていますが、中でも熊本弁には愛らしい表現がたくさんあります。
熊本弁はそのチャーミングな響きで「可愛い」とも評価されています。この記事では、特に親しみやすく、心温まる熊本の方言を選んで紹介します。
熊本の愛らしい方言7選
熊本には魅力的で可愛らしい方言が多く存在します。その中から特に素敵な7つを選びました。
いっちょん(一つも、全く)
「いっちょんできんかった」とは、「全くできなかった」という意味です。進展がない状況を表すのに使います。
おひめさん(ものもらい)
熊本では、ものもらいを愛称「おひめさん」と呼びます。この表現は目の不快感を少し和らげる可愛らしさがあります。
さしより(とりあえず)
居酒屋で「さしよりビール!」と注文すると、「とりあえずビールを!」という意味になります。気軽に使えるフレーズです。
すーすーすっ(ひんやりする)
「すーすーすっ」とは、冷たいものを感じる時や涼しい感覚を表す時に使います。「湿布を貼ると、ひんやりする」といった場面で用います。
だご(とても、団子)
「だごカッコイイ」と言うと「とてもかっこいい」という意味になります。また、「だご汁」は熊本の郷土料理、団子汁を指します。
ならね〜(それじゃあね)
友達との会話で「ならね〜」と言うと、「それじゃあね、またね」と別れを告げる時に使います。親しみやすい別れの挨拶です。
よか(いい、充分だ)
「熊本よかとこ」と言うと「熊本は本当にいいところだ」と誉め称える意味になりますが、「よか」と単独で使うと、場合によっては否定的な意味もあります。
熊本の方言を使った日常会話
友達との会話
この会話は友達同士が週末の計画を立てているシーンです。
Aさん: こんちわー。今週末、どっか行かん?
Bさん: おう、行こうばい。どこがいいと?
Aさん: 海はどう?暑くって、水泳がしたかばい。
Bさん: いいと!海、よかな。なん時集まる?
Aさん: 午前中に出たかんね。10時ごろにうちの前で待っててばい。
Bさん: 了解した。昼ごはんはどうすると?
Aさん: 海辺でバーベキューしたかんね。肉とか、野菜とか持って来てくれん?
Bさん: 分かった。ビールも持ってくっか。
Aさん: それ、よか!楽しみにしてるばい。
Bさん: じゃ、それじゃ。週末、待っとるばい!
この会話には、「〜ばい」や「よか」といった熊本弁特有の表現が含まれています。
「ばい」は文末によく使われ、意志や確認のニュアンスを加えます。「よか」は「いい」「良い」の意味ですが、感嘆や同意を示す場面で使われることが多いです。
熊本の方言で愛の告白
例文1
ずっと思っとったけん、今日ははっきり言わせてもらうばい。ずーっとお前のことが好きだったと。
一緒におると、なんか心がほっこりするし、いつもよか気持ちにさせてくれるばってん。お前の笑顔を見とると、私も幸せな気持ちになる。
だから、これからもずっと一緒におったらと思うとよ。私と付き合ってくれん?
例文2
えっとね、あんたがとても好きです。
いつも一緒におると、心がすーすーすっとすると。
あんたの笑顔を見たかんね、世界が輝いて見えるばい。
ずっと側にいてくれん?あんたがいれば、他に何も要らんと。
まとめ
熊本の方言は地元の豊かな文化や歴史を映し出しており、これらを学ぶことで熊本の理解が深まります。
観光やビジネスで訪れる際にも、これらの方言に触れることが多いでしょう。
地元の人々とスムーズに交流するためにも、いくつかの表現を覚えておくと便利です。
熊本の方言を学ぶことで、地元の人々との絆も深まります。この機会にぜひ熊本弁の魅力を感じてみてください。